チャプター8 エピローグ 夢の枕バク
私が好きな「陰陽師」の第3巻で、坊やと晴明の第3話集でもあります。
第2弾から2年目に第3弾が刊行されました。前編から後編までの7年間と比べると、かなり早いと言えます。漫画版「陰陽師」の作者である岡野玲子さんは、原作に追いつきそうな勢いで描くのが早く、現在は3ヶ月ごとに新作を書いています。
ここで一つだけ言っておきたいのは、岡野玲子の画力とセンスは、現代においても他の追随を許しません。
私が話しているテイストにはもちろん、絵を描くことや物語を作ることに対する彼女の感性も含まれますが、そのほとんどは何とも言えない部分に関連しています。
彼女の味を一気に賞賛したかったのですが、残念ながら適切な言葉が見つかりませんでした。言葉が見つからない、言葉にできないというのは、本当に胸が苦しくなります。
しかし、彼女の好みは確かに存在し、平安時代を描いた無数の漫画の中で陰陽師の漫画版が際立っている理由です.
この何とも言えない味わいは、一言で言えば、誰にも真似できない才能です。
そのため、コミック版の「陰陽師」は平安時代のコミックだけでなく、幅広いコミック作品に存在します。
こういうテイストというか感性とでも言いましょうか。
岡野玲子さんのマンガには、信じられないほどの余白、素晴らしい時間、空間があります。そして、それは絵の構成に限らず、プロットの分割にも限定されません。
人と人の感情や感性、物語や映像に関わる部分など、ものすごい余白、時間、ユーモアが感じられます。また、岡野玲子さんはとても勤勉で、いつも平安時代についてアドバイスを求めています。
小説版の「陰陽師」がコミック版の「陰陽師」に出会える、つまり岡野玲子さんの才能はとても幸せなことと言えます。「陰陽師」のコミック版は「コミックバーガー」(SCHOLAR刊)で連載中、同誌でもう一冊の「餓狼伝説」も連載中。アーティスト。
『餓狼伝説』の板垣恵介と『陰陽師』の岡野玲子は、どちらも原作の本質に迫り、原作から自由に逸脱できるところが二人の魅力です。
画家が非常に才能がある場合、これらの作品は元の作品から離れている方が興味深いものになります。
もちろん作者の資質にもよりますが、通常は原作コミックを原作として、どれだけ原作から離れられるかが面白さの判断ポイントになります。
つまり『陰陽師』は三巻まで刊行されている。
引き続き執筆予定です。
第四部にご期待ください。
1997 年 10 月 21 日
小田原優
ドリームピローバク