チャプター8 あとがき
初夏です。
我が家の周りが新緑から緑に変わりました。
この度、『陰陽師』短編集『鳳凰編』の第四巻が刊行されますことを大変嬉しく思います。
いくつかのアイデアを取り上げて、短編小説に書き出すのは楽しいです。
テーマを考えて、それに関連するいくつかのアイデアを考え出すだけで、後は著者のスキルと資格の問題です。いや、単純に体力の問題とも言えるが、それは単純すぎる。
ふだんは何気なく暮らすことは不可能で、ある日突然空から奇抜なアイデアが降ってきます。
絶対にないとは言いませんが、人の人生では、これほど幸運なことはほとんどありません。
極短編で有名な星新一氏も、インスピレーションは努力なしで得られると言っており、最初の1~2作品に限られます。
残りの作品は、精神力と意志だけに頼り、頭を悩ませて妊娠します。
作品のインスピレーションを絞り出すには?ここで、最善の方法は次のとおりだと断言できます。考えることに集中することです。
脳みそが溶けて脳みそが鼻孔から流れ出るほど考えることは、ただ考え続けることです。他にもいろいろな方法があるかもしれませんが、この方法が間違いなく一番効率的です。
見た目からして、私はこういう仕事に耐えられるタイプの人間のようです。
月に10回ほど、この試練を経験しなければならず、まだ作業工程に慣れることができません。
このプロセスが非常に難しいことを知っているので、先延ばしにするいくつかの理由を見つけずにはいられません。そのため、締め切り前に遅れることがよくあります。
晴明や坊やの連作もそうですが、この連載を書いていると他の作品では味わえない面白さを味わえます。
自分の作品なので変な言い方かもしれませんが、私にとっては、晴明と坊やの新作を書くたびに、彼らに会いに行くようなものです。
馴染みの仲間が集まるようなものです。醜い言葉を一字一句原稿用紙に書いて会うこと、原稿用紙に話しかけること、狭い廊下で一緒に酒を飲むことを考えると、苦労は幸せに変わる。
この本はとても面白いです。
この本の校正原稿を読んでいると、自分が書いたことを忘れて、美味しそうに読んでいました。
非常に多くの記事を書いた後でも、当初の関心は変わりません。これがこのシリーズの人気の秘訣なのではないでしょうか。
10年前に発売された初の単行本、文庫本まで続々追加されています。
ここで、読者の皆様にひとつご報告させていただきます。
ウェブサイトを立ち上げました。
サイトには、日記や新連載作品(と「陰陽師」の新カラー絵物語)などが掲載されており、「陰陽師」専用の掲示板や占いページもあります。
有料で閲覧できるページもありますが、「陰陽師」の原画をプレゼントするなどのイベントを定期的に開催していく予定です。興味のある読者の皆様、是非お越しください。
2000 年 5 月 14 日
小田原優
ドリームピローバク