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白い部屋で月の歌を聞く

白い部屋で月の歌を聞く

朱川湊人

  • ファンタジー小説

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  • 2023-02-05公開済み
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チャプター1 白い部屋で月の歌を聞く

白い部屋で月の歌を聞く ∮ 月の歌を聞いたことがありますか? いいえ、私はあなたをはったりさせるつもりはありませんでしたし、驚かせるつもりもありませんでした。月は本当に歌っています。 音色は繊細なガラス工芸品のように振動し、おとぎ話の妖精が奏でるフルートのように柔らかく純粋です。月は本当に歌っています。 音の高さは月の満ち欠けに関係しているようです。細い中山月が奏でる音色はより鋭く、明るい満月はより穏やかです。月にも心があるようで、気分の浮き沈み、悲しみ、喜びに合わせて歌います。 ただ音はとても小さく、大都市に住んでいると聞き取りにくいかもしれません。そして私は山に住んでいます。そうしないと微妙な歌声の聞き分けが難しいのではないかと思います。

もちろん、山には虫や鳥のさえずりがたくさんあり、森には風雨が舞い、まったく静かではありません。しかし、人と機械の喧噪に満ちたにぎやかな街に比べると、この場所は本当に静かです。 月の歌の声がとても心地よくて、とても好きです。 かすかな歌声を聞いた途端、心に微かな響きがあり、体の隅々までゆっくりと波動が広がっていくのを感じました。その気持ちに任せている限り、身体の不自由を忘れて、どこまでも心地よく過ごせます。 そのクリアな音楽もぜひ聴いていただきたいです。いつから始まったのかわかりませんが、私はこの考えを持っています。たぶん、あなたはそれにまったく興味がないというだけです。 ああ白い部屋で月の歌を君と聴けたらどんなに幸せだろう 音色の美しさも好きなら

残念ながら、この願いは叶いませんでした。 私の心は死にかけています。
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